トランスジェンダー セラピストの就職

私は今、理学療法士1年目です。

ちょうど1年ほど前に病院の採用試験を受け、内定を貰いました。私の就職活動の経験がこれから就活する医療系学生の参考になればいいなと思っています。

まずここでは最初にセラピストの就活の流れを基本的に押さえておきましょう。多くの病院・施設の就活は、以下のような流れになっています。

  1. 病院・施設(以下、病院等)の求人票を見て、給料・休み・福利厚生など自分の基準を中心に確認
  2. 良いと思った病院等を見学:電話やメール、ホームページ上の申し込みフォームから見学したい日時などを申し込む
  3. 見学:この時までに、見学のポイントや自分が譲れない就職の待遇などについて良く考えておく。必要だったら対応してくれた人に質問をしてメモ!!〔病院等によっては、人事の人ではなく採用担当者が見学者対応のみしていることもあり、実際の面接は違う人がやることもあります。〕
  4. 応募書類作成・送付
  5. 試験・面接(1次面接、2次面接、心理検査など)
  6. 内定

トランスジェンダーが気をつけること・こうするとポイントが高い!!

  1. カミングアウトする範囲を決めよう
  2. カミングアウトする時期は面接の前、履歴書が届いた頃
  3. トランスジェンダーではなく、あえて、”性同一性障害”という言葉を使う
  4. 実習・学校ではどういう対応をとってもらっていたか、伝えよう
  5. 今後、どういう風に生きたいと思っているのか、伝えよう

①カミングアウトする範囲を決めよう

まず、自分自身がどこまでオープンにして良いか、カミングアウトしても良いかを決めましょう。人によっては全ての人にオープンな人もいれば、カミングアウトする人を限定する人、全くカミングアウトしない人もいると思います。また、自分自身の気持ちが揺れている人もいると思います。色々な考え方があって良いと思います。

ですが就活をする上では、採用担当者や面接官など人事担当者の立場になって考えてみることが大切です。多様性が認められつつある社会ですが、まだまだトランスジェンダーが知られていないことが多いです。実際、私が就職した病院はカミングアウトして入職したのは私が初めてでした。

私は同期や同僚にはカミングアウトしたくない、男性として生活したいと思っていました。そのため、カミングアウトする範囲は限定的にしていただくようにお願いしました。しかし、面接時に面接官から「うちは大きい病院だからどうしても手続き上、話さなきゃいけない人とか出てきたり注意してても意図せず知る人が出てきてしまうかもしれない。それでも大丈夫?」と聞かれました。

人は、初めてのことはどうしても守りに入りがちです。また、性別に関することは慎重な対応を迫られるため、1人で情報を持っていたくないと考える傾向にあります。面接官・人事の気持ちに配慮することも、1人の人間として大切だと考えます。

そのため、少しためらいはありましたが私は「はい、大丈夫です」と答えました。

私が現在カミングアウトしているのは、リハ科では科長、課長代理、科長補佐、直属の所属長のみです。他に、採用担当の事務長、総務課長のみとなっています。

②カミングアウトする時期は面接前

前述した様に、人は初めてのことや良くわからないと否定的になりがちです。それを前もって崩しておくためにも、面接の1~2週間前や履歴書が就活先に届いた時点で連絡を入れておくことをおススメします。

私は就活先の病院が、学校の先生が以前勤めていた病院だったので先生を通じて連絡してもらいました。先生のおかげで緊張しすぎることもなく、スムーズに面接で話すことができました。

入職後に面接官だったリハ科の方々に「カミングアウトするタイミングってどうでしたか?」と聞いてみたら、「面接の前にしてくれて良かった。誠実さが伝わったし、事前に調べられたから良かった。」との答えが返ってきました。

あくまで一例ですが、【面接前の履歴書が手元に届いた時期】というのは1つポイントかもしれません。

③あえて、トランスジェンダーではなく”性同一性障害”という言葉を使ってみる

就職活動では、戦略的になることが大切です。良くわからないことを言われたりすると、人は自然と拒否反応が出てしまいます。

なので、ここはあえて比較的知られている”性同一性障害”という言葉を使うのです。他にも、”障害”という言葉がつくことで、医療・介護関係者相手なので理解が得られやすい、ということもあります。

④実習先・学校ではどう対応してもらっていたか、伝えよう

就職先にとって、就活生が今までどう生きてきたのか知ることは大切です。その時に参考となるのが、学校や臨床現場に近い実習先でどう対応してもらっていたかということだと思います。

実際、私も面接で学校や実習先ではどう対応してもらっていたのか聞かれました。

私の場合は、男性として生きたいと思っていたので、学校では先生方や事務の方だけにカミングアウトしてクラスメイトにはカミングアウトしていませんでした。4年生の12月~国試終了の頃に初めて、卒業してからも仲良くしたい友達にはカミングアウトしました。

長期実習では、実習先の意向に沿うようにしました。対応方法は、学校の実習担当の先生と実習先のSVで話し合って決めてくださっていました。10名弱の小さなリハ科のところでは、SVを通じてリハ科全体に周知させたところ。SVのみでとどめたところなど、対応は様々でした。

⑤今後、どう生きたいと思っているのか、伝えよう

私は職場ではトランスジェンダーであることを公表して生きるのではなく、普通に男性として生きたいと思っていました。

そのため、胸オペをしていること、ホルモン治療を受けていて今後も続けていくこと、今後もしかしたら性別適合手術を受けるかもしれないけどまだ気持ちがわからないこと、を伝えました。

決まってないことは、決まってないで良いと思います。

でも、どうしても男性と女性に分けることが多い業界です。白衣、更衣室、トイレ、健康診断。あげれば色々あります。

こういった分けられているモノを使う時には、どうしても決める必要があります。なので、ここはしっかり決めて就活先に伝えることが相手を惑わすことを減らすことに繋がるので良いのではないかと思います。

いろいろ書いてきましたが、私個人の経験をもとに書いているので参考程度になれば良いなと思います。

JUN

(2018/12/13)